2012年6月26日火曜日

高齢者に対するIPAQ使用の信頼性と妥当性

IPAQ(国際標準化身体活動質問票)は身体活動量を質問紙で測定する評価指標です。
http://www.tmu-ph.ac/pdf/IPAQ%20Japanese%20version(short%20version%20usual%20week).pdf#search='IPAQ 身体活動量'

日本語版も信頼性と妥当性が検証されており、身体活動量を測定するには優れた質問紙であるといえます。

しかし、問題があります。IPAQは18歳~65歳の方を対象とした質問法なのです。

そのため、これが65歳以上の高齢者に使用できるかどうかの検討が必要になります。
そこで、この論文では65歳以上の高齢者にもIPAQが使用可能かどうかを検討しています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=Reliability%20and%20Validity%20of%20the%20International%20Physical%20Activity%20Questionnaire%20(IPAQ)%20in%20Elderly%20Adults%3A%20The%20Fujiwara-kyo%20Study
こちらで全文読めます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/21/6/21_JE20110003/_article

対象は65歳以上の男性164名、女性161名の計325名です。

IPAQの信頼性の検討方法ですが、テスト-再テスト法を用いています。
1回目の測定の2週間後にもう一度IPAQを測定して信頼性を検討しています。

妥当性の検討には加速度計を用いた身体活動量との比較を行っています。

結果です。
IPAQのICC(級内相関係数)は65歳~74歳の男性で0.65、女性で0.57でした。75-89歳では男性0.50、女性で0.56ででした。

IPAQによる身体活動量と加速度計による身体活動量において、65-74歳の男性でr=0.42、女性でr=0.49、75-89歳の男性でr=0.53、女性でr=0.49でした。

これらの結果から、IPAQは信頼性はないが妥当性はあると結論付けています。

たしかにICCが0.6前後であることを考えると、信頼性に欠ける評価法なのかなと感じてしまいます。
高齢者に使用するのであれば、認知機能がしっかり保たれているなどターゲットを絞る必要がありそうです。

高齢者の身体活動量を測定する良いツールがあるとよいのですが、あまりないのが現状です。

一般的に売られている身体活動量計では3METs以下が算出されないようになっているため、高齢者とくに車いす使用者には意味をなしません。

かといって、アクティグラフの様な感度のよいものはとても高いです。

安くて簡便な身体活動量計が開発されることを望みます。

2012年6月21日木曜日

サルコペニアQ&A

サルコペニアQ&Aというパンフレット(リーフレット?)をネスレの方から頂きました。

とてもわかりやすく書いてあります。


書いているのは若林先生!!

これをデイの利用者さんとご家族の方に渡してみて、サルコペニアという言葉の普及に努めていきたいと思います。

どんな反応が返ってくるか楽しみです。

5%ぐらいの人は興味を持ってくれると信じています。

利用者さんだけでなく、主介護者の方も興味を持ってくれるとうれしいです。