2012年7月11日水曜日

高齢者に対する高速度トレーニング

高齢者に対する高速度トレーニングの有用性を検討したレビュー論文です。


Curr Aging Sci. 2008 Mar;1(1):62-7.High velocity power training in older adults.Sayers SP.

PTであれば臨床上で、この人筋力はあるんだけど、なんか動作が緩慢で危険だなぁ…という経験を誰もが持っていると思います。

それには筋力だけではなく、筋の収縮スピードが重要な関わりを持っています。

高齢になると、一般的に筋力が低下していきますが、同時に筋の収縮スピードも遅くなっていきます。

筋の収縮スピードが低下した結果、意図しない動作の時に環境に適応できず、転倒が発生してしまうという考え方です。

実際に、高齢者の身体機能は筋力よりも筋の収縮スピードの方がより大きな影響を与えることがわかっています。

この論文では
Strength:筋力
Power:筋力と筋の産生スピード
と定義されています。

この分野の論文では一般的な様です。
日本ではあまりなじみがないような表現です。

Powerは1RMの70%が最も発揮できるようです。
Powerの速度の部分だけでみると1RM の40%で最も速度が出るようです。


このことから、高速度トレーニングの負荷は1RMの40%程度がよいのかもしれません。

ただ実際に高速度トレーニングとはどんなものなのかが、いまいちつかめていないため、もう少し原著論文を読む必要がありそうです。

高齢者の身体機能に影響を与える要因はこれだけではないはずです。
あくまでも身体機能に影響を与える一つの要因にすぎません。

今後は高齢者を複雑系の視点からとらえる必要があるのかもしれません。

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